メールマガジン「Nutrition News」 Vol.114
「有毒植物による食中毒」
「有毒植物による食中毒」
今年4月から5月にかけて、スイセンをニラと間違って食べたことによる食中毒が相次ぎました。スイセンは有毒成分としてアルカロイドやシュウ酸カルシウムを含み、悪心や下痢、昏睡、低体温などの中毒症状を起こしますが、その葉はニラやノビルと、鱗茎はタマネギと似ており、誤食による食中毒を起こしやすい植物の1つです。 スイセンの誤食による食中毒では、「河川敷に生えていたスイセンの葉を誤って食べた」などの他、「家庭菜園で育てていたニラにスイセンが混在していた」「ニラと間違って採ったスイセンを直売所で販売し、購入者が食中毒を起こした」などのケースもあり、注意が必要です。
スイセンとニラ
スイセンはヒガンバナ科の多年草で、観賞用として多くの種類が栽培されています。日本で一般的な「ニホンズイセン」は12~2月頃に花をつけます。葉がニラやノビルと似ているため、花が咲いていない時期に誤食を起こす例が多いようです。
一般にヒガンバナ科の植物には有毒成分であるヒガンバナアルカロイドが含まれています。スイセン(Narcissu属)には、リコリン、ガランタミン、タゼチン、シュウ酸カルシウムが含まれており、30分以内の短い潜伏期間ののち、悪心、嘔吐、下痢、流涎、発汗、頭痛、昏睡,低体温などの中毒症状を起こします。有毒成分は植物全体にありますが、特に鱗茎に多く含まれています。
ニラには強烈なにおいがあるため、においを嗅げばスイセンとニラを区別することができます。しかし、スイセンとニラが混在している場合には分かりにくくなることから、家庭ではスイセンとニラを離して植えるなどの工夫が必要です。
一般にヒガンバナ科の植物には有毒成分であるヒガンバナアルカロイドが含まれています。スイセン(Narcissu属)には、リコリン、ガランタミン、タゼチン、シュウ酸カルシウムが含まれており、30分以内の短い潜伏期間ののち、悪心、嘔吐、下痢、流涎、発汗、頭痛、昏睡,低体温などの中毒症状を起こします。有毒成分は植物全体にありますが、特に鱗茎に多く含まれています。
ニラには強烈なにおいがあるため、においを嗅げばスイセンとニラを区別することができます。しかし、スイセンとニラが混在している場合には分かりにくくなることから、家庭ではスイセンとニラを離して植えるなどの工夫が必要です。
スイセンの葉
厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スイセン」より
その他の有毒植物
スイセンの他にも、食用の植物と間違いやすい有毒植物は数多くあり、中には死亡者がでている例もあります(表1)。また、似ている食用植物との誤食ではありませんが、2008年には、料理に添えられたアジサイの葉を食べて食中毒を起こした例が2件発生しています。小学校の調理実習などでジャガイモの芽や緑変部分を食べて食中毒を起こす例も多く、新聞などでもたびたび報道されています。
表1 過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成16年~25年)
厚生労働省HP「有毒植物による食中毒に注意しましょう」をもとに作成
有毒植物による食中毒を防ぐには
有毒植物による食中毒を防ぐためには、このような事例があることをしっかり認識し、有毒植物についての知識を深めることが重要です。「食用」と確実に判断できない植物は、「絶対に採らない」「絶対に食べない」「絶対に売らない」「絶対に人にあげない」を守らなければいけません。また、家庭菜園などで観賞用の植物と野菜を一緒に栽培することは避けるべきでしょう。山菜とりなどでは、山菜と有毒植物が混在していることも考えられるので、1本1本よく確認して採り、調理前にも再度確認することが大切です。見分けに迷った場合には、保健所に相談すると良いでしょう。
参考
・自然毒のリスクプロファイル (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
・有毒植物による食中毒に注意しましょう (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/