健康・栄養に関する学術情報
健康教育・ヘルスプロモーションの考えを取り入れた学校における食育の評価
昨年、日本健康教育学会誌に発表された中西明美先生の論文の概要を紹介します。
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学校における食育は「栄養教諭制度」の開始等により、その実施体制が整ってきているが、その効果の評価については、システムの構築を含め、未だ不十分であると考えられる。そこで日本健康教育学会栄養教育研究会からヘルスプロモーションの考え方を取り込んだ「学校における食育の評価 実践ワークブック」を出版し、食育効果の評価手法の普及に努めてきた。
学校における食育の目的は,子どもの望ましい食習慣の形成であることから、プリシード・プロシードモデルをベースとして、良好な食習慣形成を目指すモデルを示した。食育の実施から知識、スキル、態度の育成、食習慣の形成、健康・栄養状態、生活の質の向上のプロセスを示したモデルとなっている。この食習慣形成のモデルをもとに、学校における食育評価を進めていくためには、まずは食習慣の実態把握が重要であることから、調査項目を大胆に整理した。現場では、これら整理された項目について系統立った評価を行い、食育の成果を客観的に評価することで、次の課題解決に向けた取組みの実践につなげていくことができるように工夫している。
食育評価の実践事例を蓄積し、論理的な解析を実施したうえで、全国の関係者と共有していく必要がある。今後は食育の評価を見える形で示すことで、アドボカシーにつながる活動を行っていきたい。
参考
詳細は下記論文をご参照下さい。
日本健康教育学会誌 第27巻 第1号 64-70(2019)
本論文はオンライン公開されており無料で閲覧出来ます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/27/1/27_64/_article/-char/ja