「食品ロスの削減に向けて ー 外食での食品ロスを減らそう」
外食での食品ロスを削減するために
日本では、年間約643万トン(平成28年度推計値)もの食品ロスが発生しています。そのうち、家庭以外からの食品ロス(事業系食品ロス)は352万トンであり、中でも外食産業からの食品ロスは事業系食品ロス全体の38%にあたる133万トンとなっています。
外食、特に宴会等においては、食べ残しによる食品ロスが多く発生しがちです。そこで、消費者庁、農林水産省、環境省、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会は、忘年会・新年会シーズンにあたる令和元年12月から令和2年1月までの期間、外食時の「おいしい食べきり」全国協働キャンペーンに取り組み、「宴会5箇条」や「3010(さんまるいちまる)運動」の普及に取り組んでいます。
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宴会5箇条
- まずは適量注文
- 幹事さんから「おいしく食べきろう!」の声かけ
- 開始30分、終了10分は席を立たずにしっかり食べる「食べきりタイム!」
- 食べきれていない料理は仲間で分け合おう
- それでも食べきれなかった料理は、お店の方に確認して持ち帰りましょう
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3010運動
3010運動は、宴会で発生する大量の食べ残しを減らすために「最初の30分と最後の10分は席を立たずに食事を楽しむ時間にしよう」という運動です。注文の際には適量を注文し、乾杯後の30分は席を立たずに食事を楽しみ、お開き前の10分は再度自分の席に戻って食事を楽しむことで“食べきり”を実践します。
外食での食品ロスを減らすためには、消費者と飲食店双方の意識が必要です。消費者側にできることは、まず、自分が食べきれる量を注文することでしょう。食べ放題のあるお店でも、食べきれない量の料理をとってしまうことはやめたいものです。また、宴会においては、幹事や主催者が参加者の年齢層や男女比などを考慮し、食べきれる量に配慮してメニューの選択などができるとよいでしょう。飲食店側にできることとしては、小盛りや小分けのメニューを採用したり、宴会等で大量の食事を用意する際には食べ残しが出ないよう、メニューや食事量について幹事や主催者と相談したりすることなどが挙げられます。
人の健康だけでなく、地球全体の健康にも貢献する
管理栄養士・栄養士の現場では、外食時のメニュー選びなどについて、健康づくり等の観点からアドバイスすることはあっても、食品ロスについて伝える機会はあまりないかもしれません。しかし、対象者が健康のために自分にとっての適量を知り、それを実践することは、ひいては食品ロスの削減にもつながります。そういう意味では、管理栄養士・栄養士の仕事は、人の健康だけでなく地球全体の健康に貢献するものであるとも言えるでしょう。今、管理栄養士・栄養士には、食と人をつなげる専門職としてグローバルな視点をもって臨むことも求められているのかもしれません。
【参考】持続可能な開発目標(SDGs)とは?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた2016年から2030年までの国際目標のことです。持続可能な世界を実現するための17のゴールと、その課題ごとに設定された169のターゲットから構成されており、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
詳細は下記をご参照下さい。
食品ロス削減に向けた取組について(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/#guide
JAPAN SDGs Action Platform(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
持続可能な社会と食品産業発展のために私たちにできること(農林水産省)