2014/01/06

Vol.105(3) トピックス 「平成24年 国民健康・栄養調査結果の概要より」

メールマガジン「Nutrition News」 Vol.105
「平成24年 国民健康・栄養調査結果の概要より」
 平成25年12月19日、厚生労働省は、平成24年に実施した国民健康・栄養調査の結果のとりまとめを公表しました。国民健康・栄養調査は、国民の健康増進の推進を図るための基礎資料として、国民の身体状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにするため、毎年実施されているものです。
 平成24年は、重点項目として、平成9年以降5年ごとに行っている糖尿病有病者等の推計人数や、体格や生活習慣に関する地域格差について調査されました。調査対象となったのは、無作為に抽出した475地区内の24,555世帯で、うち12,750世帯より有効な回答が得られました。

糖尿病に関する状況

「糖尿病が強く疑われる者※1」の割合は男性15.2%、女性8.7%で、平成19年と比べて男性は変わらず、女性は増加しています。また、「糖尿病の可能性を否定できない者※2」の割合は、男性12.1%、女性13.1%で、平成19年と比べて男性は変わらず、女性は減少していました。
 これらの割合と、総務省統計局「人口推計(平成24年10月1日現在)」から「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数を算出したところ、「糖尿病が強く疑われる者」は約950万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」は約1,100万人でした。「糖尿病が強く疑われる者」の推計人数は平成19年と比べて約60万人増加しているものの、「糖尿病の可能性が否定できない者」の推計人数は同年と比べて約220万人減少しており、合計人数は平成9年以降初めて減少に転じました(図1)。
 
図1「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移 (20歳以上、男女計) 。
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 平成24年「国民健康・栄養調査」結果の概要をもとに作成

 なお、「糖尿病が強く疑われる者」のうち、現在治療を受けている者の割合は男性65.2%、女性64.3%で、男女とも増加しています。

※1 HbA1cがNGSP値で6.5%以上、または糖尿病と診断され治療中の者
※2 HbA1cがNGSP値で6.0%以上6.5%未満であり「糖尿病が強く疑われる者」以外の者

体格や生活習慣の地域格差

 体格(BMI)および主な生活習慣の状況について、都道府県別に年齢調整を行い、高い方から低い方に4区分に分け、上位(上位25%)群と下位(下位25%)群の状況を比較した結果、BMI、野菜摂取量、食塩摂取量、歩数、習慣喫煙者の割合(男性)で有意差が見られました(表1)。

 表1 体格(BMI)及び生活習慣に関する都道府県の状況

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 平成24年「国民健康・栄養調査」結果の概要をもとに作成 

健康づくり対策の重要性  

 「糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)」の減少については、特定健診・保健指導制度の導入の成果も指摘されています。また、今年からスタートした健康日本21(第二次)においても、生活習慣病の発症予防と重症化予防、健康格差の縮小に主眼が置かれており、国民の健康づくりのための取り組みがより一層推進されることに期待されています。 

参考

・平成24年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001r5gc.html

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