2018/03/15

Vol.164 (3) トピックス 「消費者庁が注意喚起 豆やナッツ類は3歳頃まで食べさせないで!」

メールマガジン「Nutrition News」 Vol.164
「消費者庁が注意喚起 豆やナッツ類は3歳頃まで食べさせないで!」
 平成30年1月、消費者庁は、誤嚥による気管支炎や肺炎、窒息のリスクがあるとして、豆やナッツ類について3歳頃まで食べさせないよう注意喚起を行いました。

消費者庁によると、平成22年12月から平成29年12月までに報告された豆やナッツ類を原因とする子ども(14歳以下)の誤嚥事故27件のうち、20件を3歳未満の事故が占めていました。また、危害の程度も、気道からの異物除去などの治療で入院を要する例(中等度、重症)が全体の6割を占めていました。

実際の事例として、節分の煎り大豆を誤嚥し、全身麻酔の上、気管支から大豆の破片を摘出し5日間の入院を要した事例や、食事として与えた枝豆を誤嚥し、回復までに1か月以上入院を要した事例、ピーナッツを誤嚥し来院時には呼吸困難な状況だった事例などが報告されています。

3歳未満の子どもが豆やナッツを食べる危険性

 豆やナッツ類は私たちにとって身近な食べ物です。栄養面でも優れていることから、子どもに良いおやつとして紹介しているインターネットサイト等も数多くあるようです。しかし、咀嚼、嚥下を行う力も十分でなく気道も狭い子どもにとって、豆やナッツ類は誤嚥による窒息を起こしやすい食べ物です。小さく砕いて食べさせた場合でも、破片が気道に入ると体内の水分で膨張して形状が変わり、気道に詰まるおそれがあります。また、破片が気道に入ったまま放置していると、豆やナッツ類の油分が溶け出して炎症を起こし、気管支炎や肺炎を起こす可能性があります。

 豆やナッツ類の誤嚥は、受診件数こそ多くないものの、一度起こると入院を要するケースも多く、また、気管支鏡を使って気管支から異物除去をできる設備や技術のある医療機関も限られているのが現状です。大人に近い咀嚼ができるようになり、飲みこんだり吐き出したりする力が十分に発達するのは3歳頃と言われており、それまでは豆やナッツ類を食べさせないようにする必要があります。

 また、3歳を過ぎた子どもの場合でも、何かをしながら食べるのではなく、食べることに集中させ、落ち着いてゆっくりとよくかみ砕いてから飲みこむようにさせることが大切です。   

豆やナッツ類が喉に詰まってしまったら

 万が一、豆やナッツ類が喉に詰まってしまった場合にしてはいけないことが、子どもの口の中に指を入れ、異物を掻き出そうとすることです。指で口腔内を傷つけたり、逆に異物を押し込んで症状を悪化させたりする可能性があるからです。子どもの年齢や大きさに応じた応急処置を行った上で速やかに医療機関を受診するようにします。

消費者庁News Release平成30130日号をもとに作成

 

 

詳細は下記をご参照下さい。

豆やナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう(消費者庁)

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180131_0001.pdf

 

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