「食育の取り組みもピクトグラムで分かりやすく」
ピクトグラムとは、伝えたい情報をわかりやすい絵で表した、いわゆる“絵文字”です。トイレを表すもの、非常口を表すものなど、私たちの身の回りにも様々なピクトグラムが使われています。
日本発祥といわれるピクトグラム
ピクトグラムは、1960年に開催された東京オリンピックで、世界で初めて本格的に導入されたと言われています。現在よりも言葉の壁が厚かったと考えられる当時、言葉が分からなくても視覚的に理解できるピクトグラムが、この一大イベントの成功に果たした役割は大きかったのではないでしょうか。
最近ではSDGs(持続可能な開発目標)で定められた、2030年までに達成すべき17のゴールが、それぞれピクトグラムで表されています。
食育の取り組みもピクトグラムに
令和3年2月、農林水産省は「食育ピクトグラム」を作成し、公表しました。食育における代表的な12の取り組みについて分かりやすく単純化して表現したもので、食育への関心が低い人も含め、幅広く食育についての情報発信や普及・啓発を行うことを目的として作られました。
1 みんなで楽しく食べよう
笑顔と口を開けている顔を表した、共食についてのピクトグラムです。家族や仲間と会話を楽しみながら食べる食事が、心も体も元気にすることを伝えています。
2 朝ご飯を食べよう
朝日とご飯を表した、朝食欠食の改善についてのピクトグラムです。朝食の摂取が、健康的な生活習慣につながることを伝えています。
3 バランスよく食べよう
食事バランスガイドのコマを表した、栄養バランスの良い食事についてのピクトグラムです。主食・主菜・副菜の組み合わせた食事で、バランスの良い食生活になることを伝えています。
4 太りすぎない やせすぎない
体重計を表した、生活習慣病の予防についてのピクトグラムです。適正体重の維持や減塩に努めて、生活習慣病を予防することを伝えています。
5 よくかんで食べよう
よくかんで食べる子どもを表した、歯や口腔の健康についてのピクトグラムです。よくかんで食べることにより歯の発達・維持、食べ物による窒息を防ぐことを伝えています。
6 手を洗おう
清潔な手を表した、食の安全についてのピクトグラムです。食品の安全性等についての基礎的な知識をもち、自ら判断し行動する力を養うことを伝えています。
7 災害にそなえよう
ペットボトルと缶詰を表した、災害への備えについてのピクトグラムです。いつ起こるかも知れない災害を意識し、非常時のための食料品を備蓄しておくことを伝えています。
8 食べ残しをなくそう
食べ残したお皿を表した、環境への配慮(調和)についてのピクトグラムです。SDGsの目標である持続可能な社会を達成するため、環境に配慮した農林水産物・食品を購入したり、食品ロスの削減を進めたりすることを伝えています。
9 産地を応援しよう
海・山と生産者を表した、地産地消の推進についてのピクトグラムです。地域でとれた農林水産物や被災地食品等を消費することが、食を支える農林水産業や地域経済の活性化、環境負荷の低減につながることを伝えています。
10 食・農の体験をしよう
作物を持つ手を表した、農林漁業体験についてのピクトグラムです。農林漁業を体験して、食や農林水産業への理解を深めることを伝えています。
11 和食文化を伝えよう
茶碗とお箸を表した、日本の食文化の継承についてのピクトグラムです。地域の郷土料理や伝統料理等の食文化を大切にして、次の世代への継承を図ることを伝えています。
12 食育を推進しよう
“食育を広める”ことをイメージした、食育の推進についてのピクトグラムです。生涯にわたって心も身体も健康で、質の高い生活を送るために「食」について考え、食育の取組を応援することを伝えています。
これらの項目は、第1次から第3次までの食育推進基本計画にも掲げられ、令和3年4月よりスタートする第4次食育推進基本計画においても重点事項※として取り上げられている項目から選択されています。
食育の具体的な取り組みについて分かりやすく示されたこれらのピクトグラムが広く活用されることで、より多くの人の健康、栄養、環境、文化などを含めた“食”への関心や望ましい行動につながることが期待されます。
※令和3年2月末現在、重点事項(案)
参考
調査結果の詳細は下記をご参照下さい。
食育ピクトグラムのご案内(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pictgram/index.html