2016/11/02

Vol.145(3) トピックス「平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要より」

メールマガジン「Nutrition News」 Vol.145
「平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要より」
 乳幼児栄養調査は、昭和60年から10年ごとに実施されている調査で、全国の乳幼児の栄養方法や食事状況などの実態を把握し、授乳・離乳支援や乳幼児の食生活改善の基礎資料を得ることを目的として行われています。平成28年8月24日、厚生労働省は、4回目の調査となる平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要を公表しました。その中から、子どもの食事や食習慣などに関する結果についてご紹介します。集計対象:無作為に設定された1,106地区内の世帯のうち、平成27年5月31日時点で6歳未満の子供のいる世帯で、有効な回答が得られた3,871名

子どもの食事に関する状況

  13種類の食物について摂取頻度を尋ねた項目で、「毎日2回以上」と回答した割合が最も高かったのは、穀類(97.0%)、お茶など甘くない飲料(84.4%)、野菜(52.0%)、牛乳・乳製品(35.8%)でした。また、肉、卵は「週に4~6日」、魚、大豆・大豆製品は「週に1~3日」と回答した割合が最も高い結果となりました(図1)。図1 子どもの主要食物の摂取頻度(回答者:2~6歳児の保護者)

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 また、子どもの食事で特に気をつけていることでは、「栄養バランス」が72.0%と最も高く、次いで「一緒に食べること」(69.5%)、「食事のマナー」(67.0%)の順でした。「特にない」と回答した割合は1.7%であり、ほとんどの保護者は子どもの食事について何らかの気をつけているという結果でした。

乳幼児の生活習慣や健康状態

朝食を毎日「必ず食べる」と回答した子どもの割合は93.3%、保護者の割合は81.2%でした。一方、欠食する割合(食べない日が週に2~3日以上)は、子ども6.4%、保護者18.6%でした。保護者の朝食習慣別に見ると、朝食を毎日食べる習慣のある保護者の場合には朝食を必ず食べる子どもの割合が高く、朝食を欠食する保護者の場合には朝食を必ず食べる子どもの割合が8割を下回っていました(図2)。

図2 保護者の朝食習慣別 朝食を必ず食べる子どもの割合
(回答者:2~6歳児の保護者)
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共食の状況については、朝食は「おとなの家族の誰かと食べる」と回答した割合が最も高く50.2%、「家族そろって食べる」は24.1%でした。夕食では「家族そろって食べる」と回答した割合が最も高く、48.0%でした(図3)。

図3 子どもの共食(朝食・夕食)の状況
(回答者:2~6歳児の保護者)
vol145 zu3
朝食の共食状況別に朝食を必ず食べる子どもの割合を見ると、「家族そろって食べる」と回答した場合に朝食を必ず食べる子どもの割合が96.8%であったのに対し、「一人で食べる」と回答した場合には朝食を必ず食べる子どもの割合は76.2%でした(図4)。

図4 朝食の共食状況別 朝食を必ず食べる子どもの割合
(回答者:2~6歳児の保護者)
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社会経済的要因と主要食物の摂取頻度

 社会経済的要因(経済的な暮らし向き、生活の中の時間的ゆとり、総合的な暮らし)別に、主要な食物の摂取状況を見ると、経済的な暮らし向きにおいて有意な差が見られた項目が多くありました。経済的な暮らし向きが「ゆとりあり」の場合に摂取頻度が高い傾向が見られたのは魚、大豆・大豆製品、野菜、果物で、経済的な暮らし向きが「ゆとりなし」の場合に摂取頻度が高い傾向が見られたのは、菓子(菓子パン含む)、インスタントラーメンやカップ麺でした(図5)。図5 社会経済的要因別 主要食元の摂取頻度
(回答者:2~6歳児の保護者)

【魚】
vol145 zu5 fish

【インスタントラーメンやカップ麺】
vol145 zu5 noodle(一部抜粋)

 詳細は下記をご参照下さい。

平成27年度「乳幼児栄養調査」結果(概要版)(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134208.html
※本文中の図はすべて上記ページより転載

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