講演3
座長
昭和女子大学 名誉教授
飯野 久和
「口腔機能維持の重要性」
大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子免疫制御学講座 予防歯科学 教授
天野 敦雄
私達の体は食べた物でできています。食べることは生きること。口は全身の健康を支えています。 フレイル予防にはタンパク質をはじめ、バランスの取れた食生活が大事です。しかし、むし歯や歯周病 で歯が無くなり、不健口になると低栄養による全身のフレイルと口腔機能の低下(オーラルフレイル) がやってきます。
口腔機能
噛み砕く、飲み込む、味わう、発音、唾液分泌、表情 などの口腔機能は、健康に生きるために欠かせないもの ばかりです。この大事な機能を支えるのが、歯、舌、 歯肉、頬、唾液腺、粘膜、口腔周囲筋です。これが調和 して口腔機能が営まれます。歯が減る、舌や唇の動きが 鈍くなる、唾液量が減るなどの問題が何かひとつ起こる だけで、口の調和が失われ、オーラルフレイルがやって きます。オーラルフレイルは全身のフレイルと表裏一体 で進んで行きます。
オーラルフレイル
オーラルフレイルの始まりは、滑舌低下、食べこぼし、 わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥、口臭 など、ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が 付きにくい特徴があります。全身のフレイルも進み、 心身ともに活力が低下していきます。
健口こそフレイル対策
オーラルフレイルは改善できます。まずは歯医者さんに行きましょう。むし歯と歯周病の治療、 そして、歯が無くなった個所には、義歯、ブリッジ、あるいはインプラントで噛める口を取り戻しま しょう。 オーラルフレイル対策のお口の体操があります。パタカラ体操、ゴックン体操、おでこ体操、唾液 腺マッサージなどをご紹介します。オーラルフレイル改善は全身のフレイルの改善に結びつきます。
高齢期におけるオーラルケア
オーラルフレイルを予防し、口腔機能を守ることはとても重要です。そのためには、お口のケア (口腔健康管理)に気を付けましょう。
- ●セルフケア:歯ブラシや歯間ブラシを正しく使用
- ●プロケア:定期的な歯科受診(治療と予防)
のお話も致します。