講演2

座長
聖路加国際大学 看護学部/大学院 看護学研究科 特任教授
松井 陽



「健康づくりのための運動と栄養」
帝京科学大学 医学教育センター 特任教授
一般社団法人美立健康協会 代表理事
渡會 公治

高齢社会において運動器の健康がより大切なものとなっている。健康の3 要素といわれる栄養・運動・休養はすべての人に必要なものであるが、現代生活の中では偏った栄養状態で運動不足で不眠に悩む人も多い。栄養もただとればよいわけではないように、運動もただやればよいというものではなく、今までの職業、スポーツ歴、病歴を踏まえ現状の体力を評価し準備することが必要である。演者はスポーツ整形外科医としてスポーツ選手の健康管理、外傷障害の診断治療予防に努めてきた。また、スポーツ医学の研究者、教育者として外傷障害予防の啓発を行ってきた。その視点からロコモ発足に参画した。ロコモ、フレイルといった弱者である高齢者の外来でも同じように、身体の使い方を教え、日々の生活の中にトレーニングを入れていくことを勧めている。この自分で行う身体の手入れが治療となるとともに介護予防につながると考えている。自分の身体、ヒトの身体の特徴を知り、現代生活の問題点を意識して、上手に身体を動かすことが健康寿命を保つことになる。具体的に行うべきはスクワットである。スクワットはトレーニングの王様といわれ、アスリートでも基本のトレーニングである。足腰が弱ってくる高齢者でも「立つトレーニング」をする必要がある。病的な状態、立ったり座ったりすることができなくなる腰痛膝痛対策としてもスクワットを勧めている。しかし、このシンプルなスクワットも技術と体力が必要である。立ち方、構え方の危険な構えを理解し、関節の中央に荷重する、すべての筋肉を動員することが美しい立ち方となる。そのためには、股関節、背骨の柔らかさが必要となり、ストレッチと背骨の体操が処方される。この3 つの体操を中心に身体全体を使って生活動作を改善させていこうという美立健康体操を発信している。美しく立つ、上手な身体の使い方がキーワードである。これらについて述べる。若い人でも多い、ひざの痛み、腰の痛み、首の痛み、肩こり対策について実際にやってもらおうと計画している。

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