メールマガジン「Nutrition News」 Vol.88
「健康日本21(第2次)」

 平成12年度から平成24年度までの12年間推進されてきた「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が平成24年度末で終了となります。これを受け、その基本方針(国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針)が見直され、7月10日に全部改正(健康日本21(第2次))が告示されました。

「健康寿命」と「健康格差」

 今回の改正のポイントとなるのが「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」です。「健康寿命」とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。日本の平均寿命が世界でも高い水準にある一方で、これからの日本社会は疾病や加齢により、医療や介護にかかる負担が大きくなると考えられています。これまでのような高い経済成長が望めない可能性がある中で活力ある社会を実現するためには、生活習慣病を予防することや、社会生活に必要な機能を維持・向上することなどが重要です。

  「健康格差」は地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差のことを言います。平成22年国民健康・栄養調査結果では、所得が高い世帯に比べて低い世帯で朝食の欠食や運動習慣のない人々の割合などが高いことが報告されました。また、平成18年~22年の5年分の国民健康・栄養調査データを用いて都道府県別に肥満や生活習慣の状況について比較した結果では、肥満者の割合や喫煙率などでは上位群と下位群でおおむね10%程度、歩数では1,000歩以上といった地域格差が見られました(表1)。

表1 都道府県別の肥満及び主な生活習慣の状況

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         健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料より

10年後を見据えて

 「健康日本21(第2次)」では、10年後の日本の目指す姿を「すべての国民が共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会」とし、①健康寿命の延伸と健康格差の縮小、②主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防、③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上、④健康を支え、守るための社会環境の整備、⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活環境及び社会環境の改善、の5つが基本的な方向として提案されました。
目指すべき社会や基本的な方向は図1のように整理することができます。つまり、健康寿命の延伸や健康格差の縮小のために、個人の生活習慣や個人を取り巻く社会環境の改善を通じて生活習慣病の発症予防・重症化予防を図るとともに、社会生活機能の低下を低減することによって生活の質の向上を図ること、また、健康のための資源へのアクセスの改善や公平性の確保を図ることなどによって、結果として健康寿命の延伸や健康格差の縮小を実現するというものです。
 
図1 健康日本21(第2次)の概念図
 
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    健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料をもとに作成
 
 この基本方針に基づき、表2に示すような具体的な目標値が定められました。平成25年度から平成34年度までの10年間、その達成に向けた取り組みが推進されていきます。

表2 健康日本21(第2次)における具体的目標(一部抜粋)

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参考

・健康日本21(第2次)(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkounippon21.html
 
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